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マニアにはたまらんドラマ「33分探偵」 [33分探偵]

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セピア色の脳細胞を持つ探偵鞍馬六郎

さてさて先週からスタートした堂本剛主演ドラマの二回目を見てかなり驚いた
番組宣伝でのインタビューにどのようなドラマですか?
この問いにかなり苦労していましたが
そりゃそうだわ。説明不能不可解難解なドラマなのでした。
通常のトレンディードラマでもシリアスなサスペンスでもない
まったくの今の時代には見当たらないナンセンスドラマなのだ
といっても新しいわけでもなく昭和ドラマであり
五社協定時代の日本映画の美味しいシーンを頂きまくっている
レトロなのだ古ぼけたセピア色のドラマです
車の移動シーンの合成がこんなに新鮮でかっこよいのにびっくり
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「傷だらけの天使」の修の住むペイントハウスのセットのような
「隠れ家的鞍馬事務所のロフト」にドキドキ
俳優の動きに微妙にズレを要求する演出の違和感にびっくり
メインキャスト3人棒立ちでセリフのやり取り
実はこれ日活アクション映画風でもある深みが無い分解かり易い
唐突無形な推理に鞍馬探偵も言葉を飲み込まざる得ないような
支離滅裂な設定展開は新東宝映画並のこじつけでもあり
東宝映画「若大将シリーズ」にある極端な場面展開シーンもある
何よりもゴーインなストーリーにびっくりなのだ

犯人が誰か解かっていて追い込み、罪の実証をするのは
多くの推理作家の描くところだがこの作品にはありとあらゆる名作の
ミステリーのトリックと謎解きを盛り込んでる
早川ミステリー好きにはタマランし
海洋堂にドップリのアキバ系諸君にもタマラン・・・
と思っていたら2話には地球堂の名前で物語にも登場
アキバ系だけでなく「グリコキャラメル」のオマケ世代にはニンマリな話の展開だった。

♯01を見終わって何かに似ている・・・と感じたのは
三谷幸喜脚本演出:東京サンシャインボーイズの「12人の優しい日本人」だった
(映画では中原俊監督、陪審員11号役の豊川悦司が注目を浴びた作品です)
もし日本に陪審員制度があったら・・を想定した法廷劇
どうやら当の三谷さんからドラマの感想を伝える電話があったが途中で切れた。。そうだ。
何を伝えたかったのかな?
単純に見える事件も当時者サイドから見ると全員が犯人に思えるような
陪審員の発言が変るたびに観客の考えも変わり揺れまくるシナリオだった

六郎君の推理は個々の関係者側に立つと
叩けば埃の出て誰もが犯人なのか不思議ではない
可能性と確立を残り30分で見せているだけに過ぎない
どこにでもいる普通の人が事件をおこすという現代の狂気を
実証していることになる

犯人とされる容疑者周囲の人々への尋問や、無関係な会話やコミニュケーションに力を入れ
思考傾向・行動傾向を探り、「灰色の脳細胞」を駆使した洞察により、真犯人を言い当て、
数々の難事件を解決する」これはエリキュール・ポアロ。
さしずめ「セピア色の脳細胞を持つ探偵鞍馬六郎」のはずだった。
推理が的外れに見える。

ただ、最後のシーンの鞍馬探偵のポツリと残す言葉に注目

「愛する人」を殺される前に自らの償いで実行に及んだ山口君
「時代」の流れで夢のある玩具が売れなくなって自殺した社長

本当の犯人は他に居る・・・なのだ。
もし日本に陪審員制度が施行されたらあながち真犯人は無罪になる可能性も無くは無い
鞍馬六郎探偵の徒労の調査は無駄ではないことになる。

考えよ
行動せよ
集中せよ
予測せよ
でも真実はひとつじゃない

 ちゃ~~~とメッセージがありましたね。

ドラマで使われる名作推理小説のトリックを探す!
これも楽しみのひとつだわ。

 

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