244ENDLI-x「Help Me Help Me・・・」のPV [因縁な話]
244ENDLI-x「Help Me Help Me・・・」のPV
プロモーションビデオを見た。
歌詞と同じ・・・シンプルが貫かれてる
ジョンの「イマジン」が白の世界なら・・・
244ENDLI-xの「Help Me Help Me・・・」は闇の世界
「イマジン」が生まれ変わり自分本来の姿を見つめヨーコと二人の再スタートをイメージしてるなら
「Help Me Help Me・・・」はまだまだ迷いがあり過去ともう一人の世界でも生きなければならないイメージかな。
「イマジン」のPVは新婚のジョンとヨーコがロンドン郊外アスコットの新居に向かう後ろ姿で始る。
ヨーコのロングコートの裾から不自然に出た白のドレスのヘムは
ドアを開け中に入った時に解る・・・真っ白なドレスは花嫁衣裳をイメージさせた
白い一台のグランドピアノが置かれた広いリビングには絵画も調度品もない
イギリスのインテリアからは考えられないくらい大きなガラスの扉の
その窓、庭に続く扉を一つ一つブラインドを開けはなすヨーコ
光を取り込み除々に明るくなる室内
真っ白なグランドピアノで「イマジン」を奏で歌うジョン
最後横に座ったヨーコに静かにキスをするジョンで終了する。
ジョンの公式HPでフルサイズで見られます。
http://www.johnlennon.com/html/videos.aspx
イマジンはジョンとヨーコの「愛」にもっとも相応しいPV
シンプルだから強烈に「愛」しか見えない映像美だ
「Help Me Help Me・・・」はどうだろう
真っ暗な空間に黒いグランドピアノが一台
白の衣装は着てるものの足は裸足だ
何より一人なのが広い空間にむなしい、
黒いかたまりのようなグランドピアノと二人なのが孤独感を強くする
歌詞はジョンも夢中になった俳句
5・7・5調の同じフレーズの繰り返しは聴き手に「想像と夢想」をゆだねる
何から救って欲しい?
何から逃げたいの?
何を迷っているの?
助けてあげるにはどうすればいいの?
中盤に本人の表情のUPシャツを脱ぎ捨てた半身、そして後ろ姿
悲痛なショットが続く続く・・・
お利巧さんで大人の聞き分けが良い子供から
30を目前に本来の自分を表に出そうとあがくときに
重圧の中で書いた楽曲
ダークサイドを表現したクリップ
ラストの衝撃のカット
前衛芸術集団フルクサスで見せた小野洋子の「カットピース」のパフォーマンスを思い出した。
「カットピース」は舞台上の小野洋子の衣装を観客に持たせた鋏で切り取る行為の繰り返す。
他人に鋏で衣装を切らせる行為は「人としての信頼が無いと成立しない行為」それを舞台で実践する彼女の代表的な作品。
Cut Piece, Yoko Ono Performance at Carnegie Recital Hall, 1965
244ENDLI-xには他人では無く自らの手に鋏を持ち髪の毛を切り落とす。
本人曰く「パツンヘア」と称しおどけているが「ヘアカットは自分ですると不幸になると聞いてからサロンに今はお願いしてる」
とコメントしてたのと合わせると、かなりの「覚悟」を表現していると思う。
ジョンと洋子が著名な精神科医師のアーサー・ヤノフ博士のもとでプライマル・スクリーム治療を受け過去の自分、ビートルズ解散のトラウマを乗り越えてて「ジョンの魂」をこの世に送りだしたことを思うと、まだまだ捨てるものが大きく多すぎる現在の244ENDLI-xには
「・・・・の途中。」でしかない。
その闇の世界をファンに正直に見せようとしている勇気だと思えた。
ジョンがソロで見せたありのままの姿を伝えようとした心と同じに思えた。
2007年12月8日ジョンの命日に日本武道館の外階段で書き綴った詞は
限りなくジョン・ヨーコへの尊敬と憧憬が込められている。