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『黄色い涙』と「1.2.3と4.5.ロク」 [因縁な話]

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黄色い涙 【通常版】

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2007/10/03
  • メディア: DVD

 漫画家、永島慎二の青春

まさかの映画化に上映を楽しみにしていたが気が付いた時すでに遅く終わっていた。
DVD化で発売となりようやく見ることが出来た。
嵐ファンの友達から速攻で借りた。
この映画のリアルタイムより少し遅れて阿佐ヶ谷を遊び場にしていたので
かなり厳しい目で見ていた。
このグループにあの時代が再現できるものなのかと。

2回見て思った。

犬童監督及び美術さん、カメラマンさん衣装さんの情熱が勝ったとね。
二宮君の表現者としてのブレのなさを、主人公に据えたこと。手堅い選択である。
相葉君の未知数な個性が「シンガーソングライター」を夢見る浮遊感が引き出されていた。
松本くんの「勤労青年」の配置が他の4人の地に足のついてない生活感の無さの対比に生きていた。
桜井君のインテリきどりで東京にあこがれる「小説化志望」の純粋さを精一杯にらしく演じていた。
そして最後、大野君。素晴らしい。
たぶん監督も大いなる誤算彼がここまで化けるとは思わなかったと思う。名脇役である。
すべての登場シーンでなくてはならない「風景」になっている。
その大事な「風景としての役者」の役割を大家でタバコ屋の「菅井きん」が果たす役割を大野君
がやってしまった。
画面にいるとあの時代になる、いても邪魔でなく、いないと淋しい。
演技をすることを頭で考えずにしているように見せるんだから凄い。
ラストシーンの「青春の終わり」を告げる手紙が彼によるものなのがこの映画の意図を伝える。
もちろん二宮くんの最後の見せ場「タバコ屋」前での香さんとのやり取りの集中力も見事です。
監督、スタッフの丁寧な役つくりの教え込みが勝利した作品でした。
彼ら5人のこの瞬間でしか撮れない記念すべき名作を完成させていた。
5人が30年後にこの映画を見たときにそのありがたさが解る映画でしょう。

それにしても中心5人に絡む女性が「?」である。
監督の情熱は村岡達に注がれてた為か、5人から関心を外させない為か・・・・
目立ったのは母親に連れられて歩き「壊れた心を持つ不思議美女」
見上げる上目遣いの少女だけでした。
そして、完成した「理想の女性の絵」が井の頭公園のむせ返る草むらに置かれた
絵の少女が同化した瞬間。(演技というより演出)
通して、あやうさ、一生懸命さ、けなげさ、はかなさが気薄で、姿カタチがきれい過ぎる。

一人現状に満足せずは「銀幕」の世界に逃げ、その後不良にもてあそばれる。
一人は「夢」という未来を売り渡し人妻になり、見せびらかすように元彼につきまとう。
一人は「愛」さえ気がつかないまま見合いのために田舎へ帰る、幼さのゆえの挫折。
一人は幻の「理想」の女性を感じさせない、写真集の中のワンショット的な画面。
女性陣には厳しい。
松原千恵子さんは別格ね。無言で鯖缶差し出すシーンは台詞が聞こえてきました。
「栄介には良いお友達が沢山いて安心ね」と聞こえました。

見終わってから青春は「普遍」でありどの時代といえどもひとりひとりに必ずあるもの。
「夢」を諦めたときに挫折という初めの絶望を知るんだと。
まわりの顔ぶれが変わっても、置かれてる環境が変わっても
あの年代の純粋な気持ちがいつまでも持ちこたえられるか。
それを思い出させる映画でした。

漫画家残酷物語―シリーズ黄色い涙 (1)

漫画家残酷物語―シリーズ黄色い涙 (1)

  • 作者: 永島 慎二
  • 出版社/メーカー: ふゅーじょんぷろだくと
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 単行本

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漫画家残酷物語―シリーズ黄色い涙 (2)
  • 作者: 永島 慎二
  • 出版社/メーカー: ふゅーじょんぷろだくと
  • 発売日: 2004/06
  • メディア: 単行本


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作者: 永島 慎二
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: 単行本


黄色い涙―シナリオブック
  • 作者: 市川 森一, 永島 慎二
  • 出版社/メーカー: M.Co.
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 単行本




村岡栄介達のあの5人とそう変わらない頃を阿佐ヶ谷、鷺宮で過ごしてた。
ほとんど実家に帰らず、村岡栄介的存在の友人の家に居座り遊んでた。
お金も無くみんな夢みたいなこと言いながら。
仕事も持たず、デザイナーに、モデル志望、イラストレターになりたいね。。。なんてね。
友人の弟の仲間も隣の部屋で連夜の徹夜でマージャン。
その中にはレコードも出し、ラジオ番組も持つフォークシンガーもいた。
阿佐ヶ谷のサテン「パンドラ」スナック「トレビア」ぱーらー「好味屋」駅前の名画座
そんなお店に入り浸っていた。
永島慎二の漫画にも登場するお店もあり、当然永島さんの漫画も読んでいた。
当時は永島さんは私達からは「ダーンサン」と呼ばれ彼の作品には実在の阿佐ヶ谷に
集まる人たちが幾人も登場し、友人が漫画になる不思議さも味わった。
「社長」「まーちゃん」「トレビアのおじさん」
「黄色い涙」はその頃を呼んできてくれた。

映画の中でもテーマになる「売れる作品」とはいえない永島慎二の漫画は
男の子にとってはバイブル的な存在のな漫画でしたが・・・・
「売れる漫画」に夢中な私にとっては一番なのは、ちばてつや氏でした。
「ちかいの魔球」「紫電改のタカ」「ユキの太陽」「島っ子」そして何よりも好きだったのは



「1・2・3・と4・5・ロク」

この5人兄弟と飼い犬ロクの物語が大好きでした。

「青空団地は今日も静かです、平和です。」

漫画のエンディングを今でも覚えてます。カット割も空
4階立ての「公団」と呼ばれる集合団地の風景。
なぜか涙が止まらない最後でした。
母親の(必要以上に美人に描かれてないところがいい)病気と死を軸に
家族の絆、兄弟の助け合い、ふつうの生活が生き生きとつづられ、
主人公の次女三枝と弟四郎君が中心に展開される内容でした。
この漫画を超えるのはその後も無い。
http://chibapro.co.jp/
しばらく忘れていたこの漫画。
実は関西TVドラマシリーズでOAのされているのを最近知りました。
1988年の7月放送分のゲスト出演に子役の頃の堂本剛、「堂本直宏」が出演してます。



同年には児童向け教育映画「ぼくと仔犬のわんぱく大事件」「夕空晴れて」の公開もあり11歳の
少年剛が見られるわけです。
まだ日本の小学校の古びた資料置き場にひっそりと眠っていると思います。
この映画を小学生の頃に見た児童は相当数いるのだと思うが、まさかE☆Eとは思わないでしょう。
小学生の堂本剛が腕白で心優しい少年として演技で残しているのです。
20年前のその年齢でしか制作出来ない作品です。

1・2・3と4・5・ロク (1)

1・2・3と4・5・ロク (1)

  • 作者: ちば てつや
  • 出版社/メーカー: ホーム社
  • 発売日: 1997/11
  • メディア: コミック

1・2・3と4・5・ロク (2)

1・2・3と4・5・ロク (2)

  • 作者: ちば てつや
  • 出版社/メーカー: ホーム社
  • 発売日: 1997/12
  • メディア: コミック


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