春涙 [堂本剛]
春涙
奈良出身の友人の薦めで岡寺へ登る
山頂からの明日香村は何故人々、特に芸術家さんが絵に描きたがるのかが良く解る。
ただのひなびた田舎の山里には無いオーラが村全体にある。
石舞台はまだ世界遺産には登録はされていない
エントリー中なのだ。
この村のありのままが保存されていなければ石舞台それだけでは難しい
古墳の集落
墓を守り、里山を維持していること
それが世界の飛鳥へつながるのだと思う。
それにしてもこの擂り鉢のような地形
石舞台が近い岡寺では15日本日のアーティストのリハが良く聴こえる。
昼でこれだけという事は昨日の夜の公演はさぞや村中に響き渡ったことだろう。
会場のお隣の民家にしてみれば「我が家のリビング」からLIVEに参加しているようなものです。
山登りに歩き疲れて歩を止めて石段を映す。
苦しい石段登りのあいだ中、「春涙」が口からこぼれた。
いつも無意識に口ずさむ一番のお気に入りは
しんどい時
寒い時
ナサケナイ時
お腹が空いた時
大体が弱音を吐く時に溢れる。
そしてこの世からいなくなった友に詫びる
生きている自分がこんなんじゃ笑われるとね。
昨日の「春涙」が流れた時仲間と約束していた「印」を手で包んだ。
願いを込めて、仲間と繋がった。
そしてもう片方の掌では友が残したメッセージカードに握った。
カードに書かれているのは
「いろいろ楽しかったです。
ありがとうございました♥
でもこれからもよろしく!!です。
また遊びましょう 」
この短い言葉を31歳でカードに残して故郷に戻り闘病。
32歳で逝ってしまった。
春涙が言霊の唄なのは、
こんなステキな風景を見ている時にこそふさわしい。
共に生きられない友人へ見せてあげたいと、思ってしまう。
昨日の「春涙」のアレンジにバスドラムの
ドン・ドンドン・ドン・ドンドン
くり返す力強い音を見つけた時
一歩一歩踏みしめて前へ進足音に聞こえた。
生きてる証が歩みを止めないことだと。
そして、この唄の間中目を閉じていた為か、全くステージの記憶が無い。
ただただ「歌声」とメンバーの音を通して伝える言葉を聴いていた。
岡寺の展望台から明日香村を眺める。
アザミの花越しに接写・・・・
命、見つけた。
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